前川喜平さん講演とパネルディスカッションを振り返って

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前川喜平さん講演とパネルディスカッションを振り返って

先週4月18日(土)、生活クラブ館にて、元文部科学省事務次官であり現代教育行政研究会代表の前川喜平さんをお招きし、講演会とパネルディスカッションを開催しました。

地域で子どもの居場所づくりやフリースクールを実践している3名の方にもご登壇いただき、コーディネーターは東京・生活者ネットワークの岩永やすよ都議。私は僭越ながら司会を務めさせていただきました。

開催から少し時間が経ちましたが、当日の内容を振り返ります。


公教育の成り立ちと現在の課題

前川さんからは、これまでの公教育の変遷や子どもの自殺の増加、そして現在の学校教育を憲法や法律の観点からどう捉えるかについてお話がありました。

日本では、子どもには教育を受ける権利があり、保護者には教育を受けさせる義務があります。

 

憲法第二十六条

 



    1. すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。

    1. すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。


 

一方で「普通教育」とは何かについては憲法に明確な定義がなく、教育基本法の中で学校教育がその中心とされています。

かつては、子どもを学校に通わせないことが刑事罰の対象となる時代もありましたが、現在はそのような運用は行われていません。


競争を前提とした教育のひずみ

現在の教育では「主体的・対話的で深い学び」が掲げられている一方で、実態としては競争が強く働いている現状があります。

その象徴の一つが、全国学力テストです。

講演では、過去にテストの成績を上げるために不適切な対応(いわゆる“田植え”や“間引き”)が行われていた事例も紹介されました。

子どもたちのための教育が、いつの間にか「数字のための教育」になってしまっているのではないか。そんな問いが強く残りました。


地域から生まれる「居場所」

後半のパネルディスカッションでは、地域で不登校の子どもたちを支える活動をしている3名の方からお話を伺いました。

印象的だったのは、「自分の子どもが生きづらさに直面したこと」をきっかけに始まっているという点です。

目の前の子どもをなんとか支えたい。その思いから地域の仲間とともに居場所をつくり、やがてフリースクールへと広がっていったというお話でした。

また、公園や自然の中で過ごす活動の様子や、保護者同士が思いを共有できる場を設けている取り組みも紹介され、「子どもだけでなく大人も支えられる場」であることが印象に残りました。


大人の理解が追いついていない現実

一方で、共通して語られていた課題もありました。

それは、地域の大人の理解です。

平日の昼間に子どもたちが外で過ごしていると、「学校に行かないの?」といった声をかけられることがある。

その何気ない一言が、子どもや保護者を追い詰めてしまうこともあるというお話でした。

子どもを取り巻く環境を変えていくためには、大人の側が学び、変わっていく必要があると強く感じました。


「義務教育の終了」とは何か

質疑応答では、「義務教育を終えたとは何をもって言えるのか」という問いが投げかけられました。

ある登壇者からは、学校に通っていない子どもが卒業証書を「ただの紙切れ」と感じたエピソードが紹介され、その子のために独自の卒業証書を用意したという話がありました。

また、「義務教育の達成」を明確に定義することの難し  さについても共有されました。

前川さんからは、制度上は留年も可能である一方、実際には学習の理解度に関わらず学年が進んでいく現状があることが指摘され、「終了の基準はあってないようなものではないか」という言葉が印象に残りました。


私自身の問いとして

私自身もこれまで、「学校に行きたくない」という子どもたちと向き合う中で、何度も同じ問いを自分に投げかけてきました。

義務教育とは何か。普通教育とは何を指すのか。

今回の学びを通して、改めてこの問いに向き合い続ける必要があると感じています。

すぐに答えが出るものではありませんが、これからの時代に子どもたちが身につけるべき力とは何かについて、自分なりに考え、今後も発信していきたいと思います。


 

 

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